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インタビュー

「資産形成は投資信託だけで十分。まずは、『先取り+積立』の習慣をつけましょう」。これから資産形成をスタートさせる新社会人へのメッセージ

オフィス・カノン代表 ファイナンシャルプランナー 馬養雅子さんに聞く

■最初は、積立でお金を貯める習慣をつけるところから始める

 会社に入って社会人生活をスタートさせるのを機に、これから資産形成に取り組もうと考えている人は多いと思います。あるいは、社会人になってから時間は経っているけれど、これまで何もやって来なかった、今年度こそ投資を始めようという方もいるかもしれませんね。

オフィス・カノン代表 ファイナンシャルプランナー 馬養雅子さん

 ただ、資産形成や投資と言っても最初は何から手をつければわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、私がおすすめするのは、投資以前にまずお金を貯める習慣をつけることです。

 具体的には、手取り収入のうちの一定割合を毎月積み立てに回します。どのくらいの割合が適切なのかは、その人の収入や生活スタイルで変わってきますが、たとえば一人暮らしのシングルなら、手取り収入の10%程度でしょうか。また、実家暮らしなら、手取り収入の25%程度くらいまで比率を上げてもいいかもしれません。

 給料の範囲内でお金を増やしていくためのポイントは、「先取り」と「積立」です。これは、貯蓄でも投資でも変わらない基本です。給料が振り込まれたら、自動引き落としで一定額を積立に回して、残ったお金で生活していく習慣をつけることがとても大切です。

 社会人1年目なら、投資ではなくて貯蓄だけでいいと思います。なぜなら、最初の1年間は自分がどんなふうにお金を使うのか、どの程度お金が必要なのかなどわからないことが多いと思うからです。積立貯蓄をしながらお金の流れや使い方を把握して、投資は次の段階ということです。

 また、資産形成のために投資は欠かせませんが、目先の生活には貯蓄が優先すると考えます。目安としては、手取り月収の3カ月分程度は貯めておいて欲しいですね。3カ月分の蓄えがあれば、たとえば急な出費があっても対応できるからです。

 今は企業型の確定拠出年金制度を導入している会社も多くあります。その場合は、資産形成や投資について学ぶいいチャンスになります。特に企業型は、多くの場合掛け金は企業側が出してくれます。どんな商品があるのかチェックし、何に投資すればよいのか考えて、最初から積極的に関わっていくとよいでしょう。

■最初は「貯蓄」の比率を高めに、徐々に「投資」の比率を上げる

 手取り月収の3カ月分程度のお金を貯められたら、そこからは投資にもお金を回していきましょう。「投資用のまとまったお金」を用意するまでは投資は始められない、と思い込んでいる人が意外に多いのですが、それは間違いです。積立投資ならまとまったお金は必要ありません。

 また、毎月決まった日に積み立てるように設定しておけば、買うタイミングを考えて悩む必要がありません。さらに、後で詳しく説明しますが、積立なら価格の変動リスクを抑えることができます。

 投資は、始めてみないとわからないことがけっこう多いのです。だから、少額でもいいから早く始めることが非常に重要です。貯蓄と投資に回すお金の比率は、最初は貯蓄を多めにするとよいでしょう。たとえば、積立額が全部で1万円なら定期預金が8000円で投資が2000円、1万5000円なら1万円と5000円というイメージですね。

 そして、貯蓄額が増えてきたら投資に回す比率を少しずつ上げていき、貯蓄の額が100万円を超えたら貯蓄と投資の比率を半々にして構わないと思います。もちろん、金額や割合はあくまで目安ですので、ご自身の状況に合わせて調整して構いません。

■資産形成のための投資なら、投資信託の積立投資だけで十分!

 さて、これから投資を始めようというときにいちばん気になるのは、「何に投資をするのか」「どの商品を買えばよいのか」ではないかと思います。社会人1年目で貯蓄もなく、投資もまったく未経験なのに、「不動産投資をやりたい」とか「まずFXをやってみたい」という人は実はけっこういます。でも、不動産投資には多額の資金が必要ですし、FXは値動きが激しくて資産形成が目的の投資には向きません。

 私は、資産形成のための投資であれば、投資信託だけで十分だと考えています。なぜなら、投資信託なら、あらゆる資産、あらゆる国・地域、あらゆるカテゴリーに投資できるからです。先進国や新興国の株式や債券、リート(不動産投資信託)などに投資が可能です。また、コモディティと呼ばれるエネルギーや貴金属といった商品に投資する投資信託もあります。

 個別株への投資だと資金が1つの銘柄に集中してしまいますが、投資信託なら1つの商品を買うだけで幅広い銘柄に分散投資が可能です。また、積立ができるというのも投資信託の圧倒的な魅力と言えるでしょう。繰り返しになりますが、積立なら価格変動リスクを抑えることができます。

 投資信託は値動きがあるので、価格(基準価額)が上がるときもあれば下がるときもあります。毎月、一定の金額で積み立てていると、価格が高いときは、買える口数は少なく、価格が下がったときにはたくさんの口数を購入でき、結果的に購入単価を下げることができるのです。

 では、どんな投資信託を買えばいいのでしょうか。20~30代で、積立で資産を作っていこうというのであれば、株式に投資する投信がいいと思います。「基本は、株と債券を半々で」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。これは、債券と株は値動きが異なるので、分散させることで値動きを抑えようという考え方です。

 ただ、長期間積立で買っていくなら、値下がりしたときはその分たくさん購入できますから、一時的には値下がりしても構いません。あくまで20~30代の人が積立で投資する場合ですが、より値動きが大きい、株に投資する投信でいいと考えます。

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