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インタビュー

「毎月分配型投資信託は、ストレスなくお金を取り崩す『仕組み』。上手に使えば、リタイア世代には非常に便利な商品です」

ファイナンシャルプランナー 深野康彦さんに聞く

■毎月分配型投資信託の人気の背景にあるのは「低金利の蔓延」

 人気が高い一方で、ネガティブな評価を受けることも少なくない毎月分配型投資信託。しかし、毎月分配型投信に向いている人が適切に使う分には、とても便利な金融商品です。改めて、その特徴や魅力から、ネガティブな評価を受ける理由、商品を選ぶチェックポイントまでお話していきたいと思います。

 まず、毎月分配型投資信託とはどのような商品でしょうか。簡単に言うと、毎月決算を行ない、その投信の分配方針に従って月々分配金を支払う投資信託のことです。

 国内籍の毎月分配型投信が初めて発売されたのは、今から20年前です。その後、新しい投資対象や投資手法を取り入れながら、毎月分配型投信はどんどん売り上げを伸ばしていきました。ピーク時には投信全体の純資産総額の約7割、現在も純資産総額の約4割を毎月分配型投信が占めています。毎月分配型投信は「投資信託の一分野を築いた」と言ってよいでしょう。

 その背景にあるのは、低金利の蔓延です。日本では低金利が長らく続いているため、行き場がなくなったお金が毎月分配型に流れているのです。特に、日本の金融資産は6割以上を高齢者が保有していますが、そうした高齢者層――リタイア世代に毎月分配型投信は支持されています。

有限会社ファイナンシャルリサーチ 代表 深野 康彦氏

 ここで、リタイア世代のお金事情に目を向けてみましょう。総務省の統計データによると、ざっくりした数字ですが無職の高齢者世帯では、毎月6万~7万円程度、家計がマイナスになっています。年間だと70万~80万円超というところです。その不足分をどこでどのように補うのかは、リタイア世代にとっては重要な問題です。

 20年ほど前は10年物国債の利回りが2%を超えていたため、当時のリタイア世代は退職金などで国債を買っておけば、その利子だけで不足分のほとんどを補うことができました。しかし、現在の国債の金利は0.05%。21世紀になってからリタイアした世代は、先輩世代のように国債の利子に生活費の不足分を頼ることはできません。そこで注目されたのが、月々分配金を受け取ることができる毎月分配型投資信託だったというわけです。

■毎月分配型投信が「悪者扱い」されてしまいがちな理由とは?

 リタイア世代が毎月お金を受け取る仕組みとして、毎月分配型投資信託は優れていると私は考えています。しかし、冒頭で触れたとおり、毎月分配型投信はときに「悪者扱い」されることもあります。

 その大きな理由は、「複利効果が望めない」というものです。今の投資の考え方は、どちらかというと「複利効果を狙って資産形成をする」が主流となっています。毎月分配金を出し続けていると投資元本が増えていかず、「よくない」というわけです。

 しかし、毎月分配型投信はそもそも複利効果で資産形成を目指す商品ではありません。前述のように、リタイア世代が運用しながら取り崩し、定期的に分配金を受け取って豊かな生活を過ごすために向いている商品です。実際にはすべての投資家が資産形成のために投資信託を使っているわけではないのに、「資産運用=複利効果」というところにばかりフォーカスが当たってしまっていると感じています。

 「悪者扱い」される理由は、ほかにもあります。運用会社の企業努力によって、毎月分配型投信はこの20年の間に投資対象を増やし、最近では通貨選択型やコール・オプションを組み合わせたものなどラインアップを充実させてきました。それ自体はよいことですが、どうしても分配金を多く払うという方向ばかりに商品設計がいってしまったのではないかという点です。

 分配金が多いということは、裏を返せばそれだけ高いリスクを取っていることでもあります。そこから、「毎月分配型投信はリスクが高い」とネガティブにとらえられてしまったという面は大きいと思います。

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